日系カナダ人記念碑2026年秋に開幕へ

ビクトリア日系文化協会(VNCS)、司法省MARB、インフラ省不動産部門、Chandos Constructionの関係者のみなさま
「コミュニティが引き裂かれた歴史を踏まえながら、すべての人々の名前を大きな形で顕彰したいという構想がありました。一人ひとりが大切な家族の名と、彼らが移動を強いられた元の場所とを結びつけることができる場となるよう、記念碑は設置されます。
この記念碑を通して、時の流れの中で多くの人が失われた今、私たちは人々の名前を、かつての故郷と再び繋ぎ、世代を越えた癒やしへと繋げようとしています。」
― スザンヌ・タバタ
日系カナダ人歴史遺産協会(JCLS)CEO
今年10月、ビクトリアに日系カナダ人記念碑が除幕されるという、歴史的な節目を迎えます。6年にわたる取り組みの末、強制的に移動を余儀なくされた日系カナダ人コミュニティ全体が、それぞれの移動先とともに記念碑に刻まれます。
開幕に向けて、JCLSでは、このプロジェクトを形づくるために行われてきた取り組みを紹介する記事を今後連載していきます。

はじまりの港へとつながる場
1800年代、ビクトリアはカナダにおける太平洋側の入港地としての役割を担っていました。内港は、日本からの最初の移民たちがこの地に足を踏み入れ、新たな生活を始めた場所でもあります。
ブリティッシュ・コロンビア州議事堂、ロス・ベイ霊園、ビーコンヒル公園からほど近い場所に位置するこの記念碑は、コミュニティの歴史を州の政治の中心に結びつける場として据えられています。
世代を越えて受け継がれる思い
この取り組みの中心には、深い感謝の思いがあります。私たちは、日常を奪われるという想像を絶する困難の中にあっても、尊厳を保ち続け、子どもたちをすべての困難から守ろうとし、何もないところから再び暮らしを築いてきた先人たちに、計り知れない恩を抱いています。
この記念碑は、単に忘れられた名前を並べるものではありません。
深い困難と不正の中を生き抜いてきたコミュニティに対し、ようやく名をもって向き合うための場です。
彼らの名前を石碑に刻むことで、先人たちは政策の中の数字としてではなく、私たちのコミュニティを支えてきた存在として記憶されていきます。
名前の壁 “The Wall of Names”
この計画の構想にあたって、強制的に移動を余儀なくされた人々の数の多さから、数千の名前を収めるに足る広大な空間が必要となりました。記念碑の中心には、100枚の花こう岩パネルからなる、全長約300フィートの「名前の壁」が設置されます。強制移動を強いられたおよそ22,000人の日系カナダ人の名前と、インターンメント(抑留)期間(1942〜1949年)に生まれた3,000人を超える子どもたちの名前が、初めてひとつの場に示されます。
祖先の名を、彼らが強制移動を強いられた元の地域ごとに見つけることができます。北部・中部沿岸の漁業地域から、フレーザー・バレーの農地に至るまで、かつて暮らしていた地域ごとに名前が刻まれています。こうして、かつて「故郷」と呼んだ地と、名前とが改めて結びつけられます。
壁に刻まれた名前と場所は、人種・経済・権力が複雑に絡み合った政策によって引き裂かれたコミュニティの姿を、静かに示しています。これらを石に刻むことは、それらの記憶を決して忘れ去られることなく、周縁化されることのないものとするためです。
除幕後、この記念碑は、訪れる人々と地域の人々が静かに向き合い、思いを巡らせる場所となっていきます。
記念碑デザインチーム
2022年、JCLSのコンサルティング・アーキテクトであるKobayashi + Zedda Architects Ltd.のジャック・コバヤシ氏(Jack Kobayashi)は、スザンヌ・タバタ(Susanne Tabata)と共に記念碑の初期構想に取り組みました。この構想は、その後のプロジェクトの規模や方向性を大きく定めるものとなりました。
その後、BC州政府はJCLSと連携し、トロントを拠点とする建築事務所 KPMB Architectsの創設パートナーであるブルース・クワバラ氏(Bruce Kuwabara)が率いる設計チームを選定しました。同氏はバンクーバーを拠点とするPFS Studioのランドスケープ・アーキテクト、ケルティ・ミヨシ・マッキノン氏(Kelty Miyoshi McKinnon)と協働してプロジェクトを進めています。
本プロジェクトの施工は、Chandos Construction が担当しています。


プロジェクトの進捗
エスキモルトおよびソンヒーズ・ファースト・ネーション(Esquimalt and Songhees First Nations)による土地の祝福式と、杉の枝を用いた清めの儀式を経て、2025年秋に記念碑の建設が始まりました。この場には、存命者やその子孫を含むビクトリアの日系カナダ人コミュニティの方々も立ち会いました。
現在、最初の花こう岩パネルの設置が進んでおり、公園の東側から作業が始まっています。この場所は、カナダの記録上に残る初期の日系移民の一人が暮らしていた場所のすぐ近くにあたります。パネルはケベック州の採石場で選ばれ、東部で刻字された後、トラックで西部へと運ばれます。樹木や岩の配置も選定が進み、近くに造園および舗装工事が開始される予定です。

記念碑除幕式
ライブ配信によるオープニング:10月3日(土)
コミュニティの皆さまを対象に、全国に向けたオープニングセレモニーの配信を行います。オンラインで配信することにより、どこからでも、この歴史的な瞬間をみなさまと共有することができます。
視聴方法
ライブ配信のリンクは、9月にニュースレターおよび公式ウェブサイトにてご案内します。
一般公開
10月3日の公式中継による除幕式の後、記念碑および周辺の公園は一般公開されます。
ガイドツアー
10月4日、5日、6日、7日に、対面でのガイドツアーを実施予定です。
予約方法を含む詳細は、今後数ヶ月のうちにご案内します。
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Kansha 感謝 (gratitude)
不正の代償を胸に刻み、困難を乗り越えてきた強さを次世代へと伝えていく場です。このプロジェクトを形にすることに尽力してくださったすべての方々に、心からの敬意と kansha(感謝)を込めて。
